「射義」の解釈をしてみた 弓道 2015年11月13日 タイトルからして、お前は何様のつもりだなんて思われても仕方ない。 以前から気になっていたことで、弓道の教本を開くとまずこの射義と射法訓が書かれている。 特に射義は「礼記」からの出典であるため、これだけ見たって流れがわからなかった。 「礼記」の中でどういう関係の中でこの射義が書かれているのか気になったので、少々その文章を引用してみる。 (以下、弓道教本第一巻より) 礼記 射義 射は進退週還必ず礼に中り、内志正しく、外体直くして、然る後に弓矢を持ること審固なり。 弓矢を持ること審固にして、然る後に以って中ると言うべし。これ以って徳行を観るべし。 射は仁の道なり。射は正しきを己に求む。己正しくして而して後発す。発して中らざるときは、則ち己に勝つ者を怨みず。反ってこれを己に求むるのみ。 というもの。では、現代語ではどうなっているのだろうか。 (以下、現代語訳。出典:中国古典文学大系3より抜粋) 射義 第四十六 ○ 射る人は、まずその足の運び、身のこなしが、きちんと作法に会い、内心が邪ならず、姿勢が正しくなければならず、それでこそ弓矢の持ち方が確かで、またそれでこそ矢の中る中らぬを論ずることができる。すなわち弓射にもその人の徳が現れるのである。 ○ 射は仁の道にあうものである。射は、正しく射るべきことをその人に求める。おのが身を正しくして、そこで矢を発する。発して中らなければ、反省して己の誤りを求めるのみであり、勝った相手を恨むことはない。 というもの。 教本はそこから弓道の理念を掘り下げて解説している部分があり、今回拝借した本はもっぱら古典の現代語訳といった感じ。(当然といえば当然) 比べてどうなるのよって思うだろうけど、古典文学大系の方を読んでいくと、実は教本の射義は『本来のテクスト(射義という章段)の冒頭と末尾をくっつけたものなのである!( ゚Д゚) 具体的には、冒頭部分の「射は進退~」の前にはもう一つ段落が存在していて 「昔諸侯が弓射を試みるときは、必ずその前に燕礼(宴)をやったものであり、卿、大夫、士の弓射にしても、やはりその前に酒の例を催したのである」という旨の文章がある。 あれ、宴会……? ここでいう宴は君主と臣下の義を明らかにするものの一つとされており、酒席ではあるが身分に応じた振舞いが事細かく決められていた。 これだけ読むと、弓射は余興なのかってガックシきてしまうのだが、この後の段落でフォローが入る。 「弓射は男子の必修であり、人の性格や徳観を見るのにふさわしいものとされたため、天子はそれを熱心に行っていた」ということを、孔子のエピソードも挿入して書かれている。 何が言いたいのかっていうと、射は単なる武技ではなく、善射の人はまた德行に秀でたものでなくてはならないことを強調するものと考えられる。 最後にダメ出しとして「射は仁の道なり~」と続く。 そうすると、射義全体としては男子の教養の一つとして弓が数えられており、エリートたちと交流するツールの一つだと言っている。 さらに、礼記全体として見た時に射義は「郷飲酒義」と「燕義」という、いずれも古代の酒席での振る舞い方について書かれた章段の間におかれている。 こう、なんだろうね……弓を引くのはエリートのたしなみだけれど、宴会の余興じみた感じが拭い去れないのは、私だけなんだろうか(´・ω・`) まあ、礼記は古代の官僚たちがどう振る舞うべきかを書いたマニュアルで、「礼は例」、つまり慣例を遵守しなさいよっていうスタンスの本だから、弓道に限って書かれたものではないし……。 それに教本は教本で、独自の見解を見出しているのだけれども、善射の人が徳行を見出すのかっていうと、徳行を見出そうとする人が弓を引いて、結果善射となるように見える。 ただ弓を引けばいいってもんじゃなくて、ちゃんと目標を立てて「自分の射」を実現できるように日々修練に取り組みなさいってことなんじゃないかな。 古典の「みとこはんなか」で意外な解釈がされて、価値観の教育に使われるっていうのは昔からあることなんだなあって思った。 [3回]PR
弓① 弓道 2015年10月27日 お久しぶりのアップです。 最近弓道をはじめまして(再開っていった方がいいかな)、弓について勉強していこうとカテゴリを増やしました。 弓道の弓ってどんな種類があるのかっていうと、いろんな本やサイトを見ると以下の種類に分けられるようです。 ①和弓(竹弓) ②グラス弓 ③カーボン弓 日本の弓では梓や竹といった天然素材でできたものが主流です。①は弓師さんが手作りしているため、伝統工芸品として存在しています。弓を引いている人なら一度は手にしたい、手に入れたいと思うものです(と信じたい)。 扱うには十分な知識と手入れを必要とします。その分だけ愛着というか、「自分が育てた弓」が完成するのです。 最近ではカーボン竹弓なるものが出回っていると聞きましたが、折れやすいと言われています。(実際に引いてみないとわからない部分がありますが) ②、③は竹ヒゴ(弓はいくつかの竹ヒゴや木材で作られています)の間にグラス繊維やカーボンシートを挟み込んで強度を補強した弓です。安価で手入れも竹弓と比べて簡単なため、高校生や初心者向きのものです。色や柄もこちらの方が豊富です。量産タイプが多いです。 ちなみに工場長はグラス弓を使っています。(銘柄はまた次回) グラス弓は竹弓より安価で、初心者といえばグラス弓と言われるくらい、引きやすいです。 色柄、弓力、名前(銘?)が豊富で自分に合ったものが選べます。 カーボン弓はここ最近(といっても七年とか八年前とかになる)出回り始めたもので、弓を引いて離れた瞬間の反動力が強い分、矢勢(矢の飛翔力)が良くまっすぐ的に向かいます。ただ、力の加わる向きによって弱点があるらしく、そこに負荷がかかるとすぐ折れてしまうのだそうです。 [1回]
お騒がせしました 未選択 2014年03月06日 先日、工場の移転を掲示しましたが、新IDの変更が可能になりましたので、このまま工場長ブログを継続させていきます。 つまり、サイト自体は消滅しません。ただ、継続できるかどうかは不明です(;´・ω・) お騒がせしました。 [1回]
新大祭 未選択 2013年10月25日 新大祭が11/19・20に行われ、行ってきました。 19日は晴天で、屋外の屋台もにぎわっていました! 途中先生のお子さんを見ることができたし、ゼミの後輩にも多数遭遇しましたが、ほとんど気づかれなかったです。眼鏡の威力ってすごいなっていうのを今更に感じる工場長でした…… さてさてお目当てはもちろん亜理紗です! 教育学部棟のやや奥まった教室らしく、机やらが積まれた廊下を通ると……お! やってるやってる! つつましやかに立っている看板には当店おすすめのカクテルの写真が貼られていました。 持ち込みOKなので屋台で買ったものやお菓子などを広げられる、来訪者には使いやすいところです! ウェイターが積極的に呼び込みをしています。中に入ると、元気よく応対してくれました。 今日は晴れているからステンドグラスがとてもきれいでした。今年制作したものは色遣いが多彩で構成もきれいでした。 伝統の「ARISA」ステンドグラスと並んでいい雰囲気ですね! メニューを見ると、あったあった。「いもくりかぼ茶」 唯一ひらがな&漢字表記のネーミング。そして今年の大目玉第一弾! 秋らしい甘い香りが店内いっぱいに広がっているのを感じると、みんなやはりそれを頼んでいるな……。 工場長は一回飲んだことがあるので、今回はパスです。狙いは別にあります。 ティーカクテル「シンフォニー」 大目玉第二弾。 去年から始めたカクテルとのコラボレーションメニュー。お酒は入っていないので、安心して飲めます。 今年は紅茶チーフがこだわって開発したもので、ほかの「トロワ」と比べるとレア度が高いと聞いたので、早速頼むことにしました! さて、感想は…… ベースの紅茶はトライアングル。華やかなフルーツの香りですぐわかりました。紅茶の香りを消すことなく、アップルジュースとうまく合っています。 さすが、お湯出し製法にこだわっただけある! カクテルは「銀河鉄道の夜」を注文しました。 去年から大人気のものなのですが、練習したものしか飲んだことがなく、正規品を口にしたのはこれが初めてです。 ジンジャーエールのゴールドとモナンのブルーグラデーションが美しいロングドリンクです。 見た目がいいので、周りのお客さんもカメラで撮影していました。 午前中しか行くことができませんでしたが、OB・OGの方々にちょうどお会いすることができたので、これもまた喫茶店の良いところであります。 店を出ると、隣は漫画研究部の展示とクラシックギター部の喫茶店がありました。 結構激戦区だなって思いました。 頑張ってね! [0回]
うれしいこと 未選択 2013年08月01日 梅雨、就職活動、テスト、国試……こう連続すると憂鬱にならない人のほうが珍しいというか。 さて、今日はちょっとだけうれしいこと。梅雨が明けたとか、就職先が決まったとか(はやくしろよ!) とかではなく、久々に会った友達から絵を描いてもらったんです! 処女作の主人公の絵なのですが、口で伝えただけですらすら彼女は描いていき、ほんの数十分でイメージ通りのものを描いてくれました。この前も後輩から作品の挿絵をもらったのですが、その時は物語を渡しました。 みんながイメージしやすい助けになるもの、それが挿絵の役割だと思うと世界観共有したりいろいろ役に立つなあと思ったり。ほんとみんな美人さんに描いてもらって感激であります。脳内のぼんやりしたイメージが鮮明に目の前に現れてびっくりするやらうれしいやら。 絵の才能がない分、文章で頑張って伝えられるものは伝えるようになりたいと考えていますが、やはり小論文と物語は違いますね。「先輩は文章書いてるからいいじゃないですかあニヤニヤ」とか言われますが、いやいや、違うから。レトリックとか小論文に入れないでしょ? 序論本論結論でしょ。文末表現くらいしかないと思うけど、いや、笑っちゃうよ、他人が見たら。こいつ何やってんだwwみたいな。 実際自分が他人の小論文を添削した時そう感じたわけで。 そんな気分を他人が感じてみているのだと思うとひええええ。 というわけで。挿絵は最高です。許可をもらえたらブログにもアップする予定ですが未定です。 そして小論文と物語は違うから! がんばって今年最後の案山子に捧げる作品を考えたいと思います。 [0回]