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工場長

時空を駆け巡るマシンはでてこない(。-`ω-)

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読書感想文

「ルーンの子供たち」
読書感想文というか、一巻を読んでみた感想。
 まず、「第三者視点だ」
冒頭部分読んだとき、徹底してるなって思った。もっと言えば登場人物の心情をもっと書けば読者も感情移入できるかなって思いました。
べつに読者置き去りにしてないから、読みやすいけど、戦闘描写を省略せずに書けばもっと面白くなるんじゃないかな。
訳語って難しいんだね。
翻訳する人の想像力や文章力、そして語彙力が直接かかわってくる。
この本を読んで改めて翻訳家の素晴らしさを知りました。
翻訳家さんがもし物語を独自で出されたら、きっと売れるんじゃないかな。
というか、むしろ物語作ってた人が翻訳家になってるパターンが多いのではないだろうか。(憶測だけど)
※単に工場長が思ってることをただつらつらと書きならべてるものなので、この作品がダメなわけじゃありません。あくまで個人的感想というか、そんなものなので、気分害されたらすいませんでした。

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紹介本

大阪にいる友達から本が送られてきました。
シリーズもので、韓国の作家さんが書かれたファンタジー小説。

一見「ラノベだ」と思ったのですが、ページを開いてみると二段構成のなにやら面白そうな雰囲気が漂っていました。
まだ読んではいないのですが、帯の紹介やらあらすじやらで、先回紹介した「ばいばい、アース」に似ているのかなって思ったりしました。

なにせ、剣で己の運命切り開くっていう言葉が書かれていますからね。どうなんだろう。

お茶の間のすきまかぜが寒い冬でした。もう春なのですが。心もまだ冬のままの工場長でした。

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雪降って地上凍ってます

去年の10月に書いてたものを作品として出させていただきました。

書いてる途中で「これって本当にあってるのかな」っと思ったり、「この表現、今は気に食わないな」とか葛藤があったけれど、「この言葉遣い、いいな」って思ったのがひとつあって、そこが自分の変わらないところなんだなって。

今の自分とその時の自分は明らかに違う。「昔の自分に対して批判的でなければ、新しい自分にはなれない」でもそれをやっていくうちに結局同じ軸があると思うんです。

自分を疑い尽くして、それでも疑いきれない、疑ったらどうしようもないもの。それを見つけられればいいのかなあと。

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泉鏡花

最近青空文庫で読んでる作家さん。

独特の文体による視点、人物描写、風景。

劇の脚本も書いていたりするせいか、三人称視点では淡々と語られている気がします。

しかしその視点は現実を見ていません。常に「非日常」(異世界)を見ています。

幻想小説といいましょうか。

ファンタジーではない。あくまで「小説」なのです。

魔法は出てこない。非日常=異を如何に書いていくか。

常にアンテナをはって異を見つけようとする、そしてそれをどう表現するか。

並々ならぬ精神力と筆力が要求されます。

「高野聖」などで有名な方ですが、毎回作品を書くときはお神酒を原稿用紙に振りかけて、合掌してから作業に取り掛かっていたそうです。

泉鏡花の描く「幻想」には超自然な力によって紡がれていると考えると、小説って恐れ多いなって思いました。

泉鏡花を通じて感じられることは「異はすぐそこに在る」

すぐそこに在るものを見る力を訓練するにはもっと世間知らなきゃいけないんだなって痛感した秋の夜長でした。

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無題

葵はその場で考えこんだ。
おかしい。『剣』が移動していることは、その所有者が白金家のように自覚している者でないならば当然のことだから理解できる。しかし、『勾玉』はそうではない。移動していないのだ。考えられることは三つ。
 一つは自覚している者であるということだが、それならばとっくに発見できたはずなのにできなかったということはそうではないということ。二つ目はその所有者が病などで移動できないということ。だが、そうであるなら『勾玉』の力で治癒されるか何かあるはずだから光臨がそれを察知できないはずがない。
 最後は考えたくないが、神霊が所有しているということ。それはこれまでにないことだし、第一に神霊が番人になれるはずがない。でも、もしそうだとしたら、一体どうなってしまうのか? 『勾玉』はなぜ人を選ばなかったのか?
そんなことを考えているうちに光臨がぴくっと動いて羽を広げて葵の肩に舞い降りた。
「なにか収穫はあった?」
「まあね。『剣』のありかはまだ分からないけど、確証は持てたと思うわ。ねえ、光臨。もし、神器が人のもとではなく神霊のもとにあるとしたらどうなるのかしら?」
「それは原始以来起こり得ないはずよ。だって神器はもともと神々が人間に贈ったものだから。それが再び神々のもとにあるのだとすれば、それはその神器にただならぬ危機が迫っているということになるわ」
 ただならぬ危機か。どうか、私の思い違いであって。
 葵はそう念じながら、西に沈みゆく太陽を眺めた。全てを茜色に染め上げながら、天上には星が瞬き始めていた。
「ねえ、光臨」
 光臨は首を曲げた。
「今から行けるかしら? 『勾玉』を探しに」
光臨はパサリ、とはばたいて葵の目の前で飛んだ。
「いいわ。早ければ早いほど、問題の収束は速くなる」
「ありがとう」
 葵は微笑んで、光臨に唱えた。
 ――久遠の時 血の如く万物に流れし言葉の霊よ
 我が友の翼を広げよ この大空を天翔ける大きな翼を与えよ――
 光臨の体はみるみるうちに大きくなって、二階建ての家と同じくらいの高さになった。優雅な尾羽はさらに大きく豊かになって、真っ白な柔らかい帯のように地面を覆っていた。
「さあ、早く背中に乗って。日が暮れると私の目が見えなくなっちゃうわ」
光臨が後ろを向いた。葵はよじ登るような格好で、その豊かな尾羽から背中に乗った。
「行くわよ。振り落とされないようにね!」
光臨はバサリ、と大きな翼をはばたかせた。土埃が大量に舞い、一瞬のうちに葵と光臨は地上からかけ離れて大空を翔けていた。

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